Review | ネオアコ、ギターポップ レビュー10



Graham Fellows / Love at the Hacienda

graham fellows

ネオアコで世界一好きなLP。Ideaのコンピでトリを飾った"Denise From Doncaster"の別テイクはもちろん、全編あれと同等以上の素晴らしさ。初めて聴いた時は本気で固まりました。冒頭でネオアコと書いたけど、甘酸っぱい100%ソフトロック。最終曲の子供SEからサビでのハンドクラップが特に最高で、これを聴くといつも頭がグルグル回ります。これだけはレアだから欲しい、って人には譲る気になれなくて2枚目は知人にプレゼントしました。

20031108

Julie and Gordon / J-J-Julie

julie and gordon

情報が少なくて自信が無いですが、おそらくGraham Fellows関連。Gorodon The Mordonとリリース時期も近くて、Grahamは直接関わって無いようです。70年代末って時代もあると思いますが、コミック・パンクっぽくて、捻くれポップ。曲自体はJilted Johonに対する本人からの返答みたい。JulieはGrahamのガールフレンドのようです。元が役者なのもあるけど変名が有り過ぎで、どこまで本人かイマイチ理解できません。ジャンルは違っても不思議と「らしさ」はあります。

20031107

Wallflowers / Blushing Girl Nervous Smile

wallflowers

Dylanとは関係が無い方です。3枚のEPの中でも、彼らと言えば"Thank You"ばかりが取り上げられますが、本作もそれに劣らず、と思ってます(もう1枚は…)。キラメキ・ギターが胸を打つA面は優しいメロディにひたすら身を委ねたくなるような名曲。決してうまいとは言えないヴォーカルですがFrank And Waltersのようなひたむきな感じで、一度聴いたら忘れられないサウンド。比較される事もあるけど、トラキャンのどのシングルよりも好きです。

A1. Blushing Girl Nervous Smile
20031106

Lise Westzynthius / Heavy Dream

lise westzynthius

デンマークの女性によるソロアルバム。生音と打ち込みが絶妙に融合したメロディーに、美しくて消え入りそうなヴォーカルがとにかく和みます。予備知識が無くても十分楽しめる作品ですが、Henrik Balling(ex: Gangway)がプロデュースしている曲が有ります。実際に彼がギターやピアノまで担当してたり。音はSweetmouthをややエレクトロニカ寄りにしたような感じです。ライナーにさりげなく載っているGangwayのLPジャケに涙。しんみりと聴きたい作品。

20031105

Killjoys / Ruby

killjoys

オージー・ネオアコとしてEven as We Speakの次に好きなバンド。英国のそれと似ているようで違う雰囲気は、この土地柄でしょうか。シンプルな演奏ながら随所に使われるヴィブラフォンと、奇麗で伸びやかな女性ヴォーカルがマッチしていて、秋の夜長にシンミリと良い感じ。これしか話題にならなかったけど、他の作品も内容は変わりません。後期の方が少し明るい感じでネオアコ色は薄いけど、全部好きか、そうでないか、好みが別れるバンドでしょうね。

20031031

Ride / Nowhere

ride

Markの来日公演を観て来ました。Rideに出会ってもう10年経ちます。思春期に聴いてたバンドで、思い入れ有り過ぎ。当時はプレーヤーまだ持ってなかったけど、Screamadelicaと合わせて初めて買ったレコード。学生の頃これを爆音で聴きながらバスに乗ってたら、運転手に「うるさい、静かにしろ!」と怒鳴られた事とか、懐かしい思い出です。結構シンミリするかと思ったら、語り弾きのアットホームなライブで、感傷的な気分にならずに心暖まる素敵な時間でした。

20031030

Starlets / Further into Night Forever

starlets

1stからもう2年ですね。当時、出た時かなり興奮したけど、コレ、ヤバくないですか?インディーポップで久しぶりに心から良いと思える作品に出会ったような気がします。クラブ受けしそうな曲もありますが、全編を通してストリングスが効果的に使われていて、ゆったりとした感じ。ちょうどこれからの季節にピッタリ。今後、レコ屋や雑誌でも絶賛されていくと思うけど、ホントに最高です。同郷のベルセバなんて目じゃ無いし、自身の初期シングル群とも遜色が無い名盤。

20031028

Soul Family Sensation / New Wave

soul family sensation

Firestation TowerからのリリースでもおなじみのSensation。その前身バンドとしても一部では有名なバンド。意外と知られてないのが、コアなネオアコ好きには有名な Metro Trinityのメンバーが組んだバンドであること。サウンドはまったく違う両バンドですが、名前からも分かるように、Sensation寄り、と言うよりはそのままの音。悲しい事にMetro Trinityの100分の1位の値段で売っています。後期Gangwayとか好きな人ならOKだと思います。

4. The Day You Went Away
20031027

Alternative Radio / Valley of Evergreen

altenative radio

リヴァプールの兄弟デュオ。もともとドリーミィーポップを聞かせる彼らですが、LP未収録であるB面"Summer'85"は、同じ兄弟(こちらは双子だけど)デュオであるFantastic Somethingにも負けないキラメキ・ソング。少しJimmy Jimmyっぽいヒット狙いな感じもありますが、幻想的なメロディでソフトロック好きにも十分アピールできる名曲。安レコでも良い物はあるのにね!という好例のようなバンド。

20031026

Aztec Camera / Just Like a Gold

aztec camera

Postcardからの1stシングル。この曲の素晴らしさは素直に認めざるを得ないです。非難を承知で書くと、Smithsと比べれば、迷わずSmithsだし、ネオアコとしてもPale Fountains程の思い入れは無いバンド。海外の相場を見ても、日本だけ過剰に人気があるような気がします。B面もここでしか聴けないバージョンですが、これはまあまあ。早熟の人だけあって、1stにしてこのでき映えは恐ろしいですが。

20031022