Review | レビュー14


B.J.Ward / Vocal-Ease
b.j.ward

こんなにも静かで美しい作品はそうは無いです。Inner Dialogueとして2枚のアルバムを出した後にオランダでひっそりと製作されたソロアルバム。バンド時代がどうでも良いような作品に思えてくる程、本作の完成度は高いです。初めて針を落とした時の、ヒリヒリとした緊張感は今でもハッキリと覚えています。特に全編を通じて漂う孤独感がたまらなく好きで、何かに挫けそうになると聴きたくなる作品。 B.Wilsonの"駄目な僕"が本気で泣けます。

20040420

Jackie DeShannon / Me about You
jackie de shannon

ソフトロックとして彼女の最高傑作。僕の中ではClaudine Longetのどの作品よりも好きだし、Four King Cousinsと同じ位大切なレコード。彼女の何とも言えない優しい声も良いですが、それと同じ位、選曲とアレンジが素晴らし過ぎです。長年盤質の悪いレコードでしか持ってなくて、普段はCDの方しか聴かないのですが、それでもLPで持ちたいジャケット。随分前にシールド盤も手に入れたのですが、未だに封が開けられません。

20040419

Ewa Bem with Swing Session / Be a Man
ewa bem

ポーリッシュ・ジャズと言えばNovi Singers。でもレーベルメイトであるこのEwa Bemも良いです。向こうはインチキCDしか持ってない(でもいつかはオリジナル欲しい…)のも有りますが、本作を聴く回数の方が僕は多いし、実際好き。全体的に静かめで軽くスィングしていて、緩いグルーブ。声量もあまり無いので、ソフトロック好きでも結構イケると思います。ここ何年かで確信しましたが、ジャンルこそ違うけど、いつも好きな作品ってこんな雰囲気なんですよね。

20040415

Knef / Halt Mich Fest
knef

やはりこの振り向きジャケが良いですね。裏ジャケも可愛らしい彼女が映っていますが、実際には低い迫力のあるヴォーカルで、最初は少し戸惑うかも知れません。基本はポピュラーなジャズで、その中で何曲か披露しているボッサナンバーがお気に入り。本作はLPではそこそこ値が張りますが、今ではCDでも簡単に聴く事が出来ます。やっぱり僕は、どことなく寂しい感じのするメロディーと暗い声に弱いみたい。

20040409

V.A. / Dream Boy Vol. 3
v.a.

タイトル通り「ドリィーミー」をキーワードに選出したガールポップ集。これが第3弾ですが、何タイトルあるか不明です。ここに収録されてる曲、僕は一人も知りません。ただ、60sにかなり詳しい人でも殆ど分からないと思われるレア音源集。恥ずかしながらこのアルバム聴くまでBreak AwayってTracy Ullmanが元祖だと思ってました。64年に既にあってしかもオリジナルはソウルだとか。ここでの無名グループのカバーも可愛らしくて素敵。

20040404

OS 3 Morais / Same
os3 morais

67年リリースの多分1st。ジャケットもそうですが、後のダバダバ・スキャット全開のフロア向けでジャジーな要素は少なくて、ソフトロック的なコーラス・ワークを基調とした良質のポップアルバム。大抵の曲は、聞き覚えのある有名曲で、マッタリとした気分になれます。彼らの作品は同じタイトルが複数あって、年代とレーベルで区別しないといけなくて少し厄介。案の上、ダブリで持ってたりしますが、別作品で持ってる方、トレードしませんか?

20040403

Helen Merrill / Bossa Nova in Tokyo
helen merrill

基本的にはジャズ・シンガー。静かに語りかけるようなヴォーカルが大好き。ただ、アルバム事に随分と違う印象を持たせてくれる珍しいアーティスト。一番好きなのは"Parole E Musica"の雰囲気ですが、本作のようなタイトルそのままのボッサ・アルバムも素晴らしいです。大抵の曲は、どこかで聞き覚えのあるお馴染みの作品ばかり。日本の歌謡曲をそのまま歌っていて、それが妙に違和感無くて少し変な感じ。

20040330

Helio Matheus / Same
helio matheus

世間では何てジャンルになるのか分かりませんが、70年代ブラジルの中でもかなり好きな1枚。もともとこのジャケットがずっと欲しくて、だけどジャケ買いするにはちょっと手が出ない値段で。ある人に聞かせて貰って、結局その1週間後には手にしてしまいました。この位の緩いグルーブとメロウな感じが僕にはちょうど心地良いです。このレコードを聴いてるとブラジル行きたくなります。大きくて暖かい感じがして。

20040325

Sylvia Vrethammar / Dansa Samba Med Mej
sylvia vrethammar

スェーデンでは有名らしい彼女の71年作。本作はかなりブラジル寄り。ブラジルっぽいオリジナル曲と、モロにブラジルスタンダードな構成で、どれもがハイレベル。緩いElis Reginaみたいな感じ。同じ曲を同時期にカバーも。僕は冒頭を飾るタイトル曲の「チキチキ」言ってるスキャットが好き。本作は、彼女が左を向いてるジャケもあるんですが、どっちがオリジナルですか?それと裏ジャケのアフロ軍団、あの人たちが演奏してるでしょうか?ファンキーな要素もそれなら納得。

20040319

Agneta Munther / Tva Sidor
agneta munther

75年スェーデン作。70年中期のこの国のポップスって、今更ですが出会う度にレベルの高さに驚かされっぱなしです。本作は全編を通じて、ブラジル〜ボッサテイストを交えた、ある意味王道ポップス。内容は中の上位にしか捕えてなかったのですが、もろにサンバでソフトロックな最終曲が突き抜けて良いです。ジャケットのようにエヴァーグリーンで、幸せな空気一杯に包み込まれるような気分にさせてくれます。

20040317