こんなにも静かで美しい作品はそうは無いです。Inner Dialogueとして2枚のアルバムを出した後に、オランダでひっそりと製作されたソロアルバム。バンド時代がどうでも良いような作品に思えてくる程、本作の完成度は高いです。初めて針を落とした時の、ヒリヒリとした緊張感は今でもハッキリと覚えています。特に全編を通じて漂う孤独感がたまらなく好きで、何かに挫けそうになると聴きたくなる作品。 B.Wilsonの"駄目な僕"が本気で泣けます。
ソフトロックとして彼女の最高傑作。Claudine Longetのどの作品よりも好きだし、Four King Cousinsと同じ位、大切なレコード。彼女の何とも言えない優しい声も良いですが、それと同じ位、選曲とアレンジが素晴らし過ぎです。長年盤質の悪いレコードでしか持ってなくて、普段はCDの方しか聴かないのですが、それでもLPで持ちたいジャケット。随分前にシールド盤も手に入れたのですが、いまだに封が開けられません。
ポーリッシュ・ジャズと言えばNovi Singers。レーベルメイトであるこのEwa Bemも良いです。向こうはインチキCDしか持ってない(でもいつかはオリジナルが欲しい…)のも有りますが、本作を聴く回数の方が多いし、実際好き。全体的に静かめで軽くスィングしていて、緩いグルーブ。声量もあまり無いので、ソフトロック好きでも結構イケると思います。ここ何年かで確信しましたが、ジャンルこそ違うけど、いつも好きな作品ってこんな雰囲気なんですよね。
やはりこの振り向きジャケが良いですね。裏ジャケも可愛らしい彼女が映っていますが、実際には低い迫力のあるヴォーカルで、最初は少し、戸惑うかもしれません。基本はポピュラーなジャズで、その中で何曲か披露しているボッサナンバーがお気に入り。本作はLPではそこそこ値が張りますが、今ではCDでも簡単に聴く事ができます。どことなく寂しい感じのするメロディーと暗い声に弱いです。
タイトル通り「ドリィーミー」をキーワードに選出したガールポップ集。これが第3弾ですが、何タイトル位あるか不明です。ここに収録されてる曲、一人も知りませんでした。60sにかなり詳しい人でもほとんど分からないと思われるレア音源集。恥ずかしながらこのアルバムを聴くまでBreak AwayってTracy Ullmanが元祖だと思ってました。64年に既にあってしかもオリジナルはソウルだとか。ここでの無名グループのカバーも可愛らしくて素敵。
67年リリースの多分1st。ジャケットもそうですが、後のダバダバ・スキャット全開のフロア向けでジャジーな要素は少なくて、ソフトロック的なコーラス・ワークを基調とした良質のポップアルバム。大抵の曲は、聞き覚えのある有名曲で、マッタリとした気分になれます。彼らの作品は同じタイトルが複数あり、年代とレーベルで区別する必要があり少し厄介。案の上、ダブリで持ってますが、別作品で持ってる方、トレードしませんか?
基本的にはジャズ・シンガー。静かに語りかけるようなヴォーカルが大好き。アルバム事に随分と違う印象を持たせてくれる珍しいアーティスト。一番好きなのは"Parole E Musica"の雰囲気ですが、本作のようなタイトルそのままのボッサ・アルバムも素晴らしいです。大抵の曲は、どこかで聞き覚えのあるおなじみの作品ばかり。日本の歌謡曲をそのまま歌っていて、それが妙に違和感が無くて変な感じ。
世間では何てジャンルになるのか分かりませんが、70年代ブラジルの中でも大好きな1枚。もともとこのジャケットがずっと欲しくて、だけどジャケ買いするにはちょっと手が出ない値段で。ある人に聞かせてもらい、その1週間後には手にしていました。この位の緩いグルーブとメロウな感じがちょうど心地良いです。このレコードを聴いてるとブラジルに行きたくなります。大きくて暖かい感じがして。
スェーデンでは有名らしい彼女の71年作。本作はブラジルの要素が強め。ブラジルっぽいオリジナル曲と、ブラジル・スタンダードな構成で、どれもがハイレベル。緩いElis Reginaみたいな感じ。同じ曲を同時期にカバーも。冒頭を飾るタイトル曲の「チキチキ」言ってるスキャットが好き。本作は、彼女が左を向いてるジャケもあるんですが、どちらがオリジナルでしょうか?それと裏ジャケのアフロ軍団、あの人たちが演奏してるでしょうか?ファンキーな要素もそれなら納得。
75年スェーデン。70年中期のこの国のポップスは、今更ですが出会う度にレベルの高さに驚かされます。本作は全編を通じて、ブラジル~ボッサテイストを交えた、ある意味王道ポップス。内容は中の上位にしか捕らえてなかったですが、もろにサンバでソフトロックな最終曲が突き抜けて良いです。ジャケットのようにエヴァーグリーンで、幸せな空気一杯に包み込まれます。